イルチルコ 葉牡丹賞2着

 

イルチルコ 葉牡丹賞

 

イルチルコ

 

☆12/4(土)中山9R 葉牡丹賞〔芝2,000m・15頭〕2着[7人気]

 

 

あばた先生の走法診断

 

まず、地味なところですが、コーナーでの力みが無くなり、その際のクビの向きや使い方が大幅に良くなりました。その結果、まだ重心はやや高いですが、右手前のコーナリングの際に左前脚が流れずによく我慢できている状態を作れています。 この馬の特徴はやはり、後肢の踏み込みの深さと、それに伴うキックの力強さですね。これはなかなか真似できるものではなく、才能を感じます。前脚の捌き方についても少し、余裕が出てきたでしょうか。追走時に弾むようにトビが高く、しかしながら推進力方向にも十分に力が伝わっているように感じます。ゆとりのある追走フォームなので、距離は2400mもこなせるようになるでしょう。逆に課題としては、クビを含めた重心の高さで、この点が解消されてくるともう少し追走時の力が楽に前方向に伝わりやすくなると思います。 追ってからはピッチが気持ちよくギュンと上がっていき、ラストに向けてどんどんとストライドが伸びていく、ひとつの理想系の身体の使い方が出来ています。この際もクビがもう少し上手く使えれば…と言うところですね。これだけ終いの形で身体がしっかり使えるならばもっと早めから追い出しても早々甘くなるようなことは考えづらいので、もう少し強気に早く外に出していってもらいたかったですね。 後肢の動きから始動して、ピッチを上げながら全体の運動をガチッと連動させる身体の使い方ができる馬はそう多くはありません。今後も期待しています。

 

 

田村調教師のコメント

 

田村康仁調教師「今回は牧場から良い状態で戻していただけましたし、こちらでも精神的に追い詰めないように注意しながら進めていましたから、良い状態で競馬に向かうことが出来ました。今回は厩舎装鞍で対応したのですが、ここ2戦よりも落ち着いていましたし、パドックでもキビキビと周回できていて、良い雰囲気だったと思います。馬体重ももう少し減るかなと予想していたのが、馬が思ったよりも中山競馬場までの輸送に対応してくれて、プラス14㎏と良い体付きで送り出すことが出来ましたし、ジョッキーが乗ってからも基本的には変なところを見せることはなかったです。ただ、時折立ち止まってしまうこともありましたから、今後も精神面にはよく注意していく必要があるでしょう。レースでは、初騎乗でしたが津村明秀騎手が上手くコンタクトを取りながら進めてくれて、道中はリズム良く走ることが出来ていました。1つ挙げるとすれば直線で外に持ち出す時に少しスムーズさを欠く場面がありましたから、そこは悔やまれるところではあったものの、全体的な競馬の内容としては良かったと思います。『ゲートではややピリピリしていましたが、道中の折り合いはしっかり付いていましたね。追い出してから少し頭を上げるようなところがあったので、そこが良くなってくるといいですね』とジョッキーは話していましたが、まだ馬体に緩さを残しますし、これからしっかりしてくる部分もありますからね。この後はトレセンに戻ってからの状態を見て最終的に判断しますが、精神面を考えるとリフレッシュを図る方が良いのかなと考えています」