古賀調教師のコメント
- 27日の中山競馬ではまずまずのスタートを切り先団を見ながら進める。徐々に位置をあげていきながら直線へ向かうが追われてから思うような伸びはなく7着。「不安に思う気持ちが多くあったのですが、輸送、装鞍所、パドックでの仕草、ジョッキーの跨るタイミング、馬場入りと言ったところはひとまず概ね問題なく行けたかなと思えました。馬場に入る際に一瞬戸惑った感じはあったのですが見ている限りではバタバタすることもなかったし、ジョッキーを落としてしまうような動きもしなかったんです。ただ、ジョッキーとの事前の相談では、何か誘導馬を見つけてその馬にくっ付いていくという話をしていたのに、スッとキャンターにおろしたんです。落ち着いて走れているし、初めての競馬の環境でも単走で対応できるのならば大丈夫かと思っていたのですが、そう思っていたら、スタートを待つポケットにいるときに難しさを見せたようでした。津村に聞くと、急に寝るような格好をし出したそうなんです。そうなるとなかなかコントロールできないし、寝ないにしても立ちあがってひっくり返る感じもしたらしく、瞬時にそこで下馬し、人が曳く形で歩きながらスタートを待つことにしたということでした。ゲートへの先入れも予定はしていなかったのですが、そういう様子を察して機転を利かせてファンファーレが鳴ってすぐにゲートへ入れてジッと待つ形を採ってくれたところ無事にスタートを切ることができました。しかも、練習時よりは速く出られ、2完歩目からスピードに乗れていましたね。途中、外の馬が急に切れ込んできたことで頭をあげるシーンはありましたが、それ以降も冷静さを欠くことなく走れていました。トビが綺麗なので今日のような重たい馬場は正直辛かったと思いますし、張り切って進んでいたわりに最後は伸び切れず疲れたような感じになりましたが、馬自身は上手にレースに対応していたと思うんです。問題はレース時よりもやはりレース前ですね…。これに関しては調教ではどうしようもなく、実戦で慣れていってもらうほかないのですが、だからと言ってやみくもに使っていくようなことをすると精神的にドンドン難しさを出していくことになりますから、慎重に対応していく必要があることに間違いはないかと思います。能力の片りんを見せてくれていますし、如何に拗らせないようにしていくかが大事なので、天栄とも相談しながら何とか軌道に乗せていければと思っています」(古賀師)フットワークの良さから牧場からも厩舎からも素質は高いという言葉を聞くことはあるものの、繊細で難しさも兼ね備えており、慎重に接さざるを得ないところがありました。なんとか無事にゲートインすることができ、道中も気持ちを出して走れていましたが、重たい馬場に体力を削がれたか、勝負どころの様子とは異なり、直線では伸びを欠くことになりました。それでも既走馬相手に見せ場十分の走りを披露していますし、馬場状態が違えば変わってもいいと思えることから今後の巻き返しに期待がかかります。一方で、競馬を一度経験したことで難しさが今以上に増してしまう恐れも考えられるので、まずはレース後の状態を確認してからになりますが、慎重な判断をしていければと考えています。
あばた先生の走法診断
この時期のデビューなので、何か問題があるのだろうとあまり期待せずに見ましたが、これは非常に素晴らしい走法です。勝ち馬や2着馬もそれなりの走法でしたが、この馬は良馬場でこそ活きそうな綺麗なトビ姿をしており、前脚の伸びやかさとクビの使い方が秀逸です。これだけ綺麗な形だと今回の馬場は酷でしたね。いい形でトビの推進力が前に向いているので、追走時からやや脚を滑らせているような感覚があり、全く合わなかった形です。気性も問題があるとのことですが、噛み合えばこれは勝ち抜ける馬なので次回以降良馬場で同じくらいの距離で出てきたら個人的にも馬券は買いたい1頭です。