☆1月23日の中山・若竹賞〔C.ルメール〕
前走時のあばた先生の走法診断
まず、地味なところですが、コーナーでの力みが無くなり、その際のクビの向きや使い方が大幅に良くなりました。その結果、まだ重心はやや高いですが、右手前のコーナリングの際に左前脚が流れずによく我慢できている状態を作れています。 この馬の特徴はやはり、後肢の踏み込みの深さと、それに伴うキックの力強さですね。これはなかなか真似できるものではなく、才能を感じます。前脚の捌き方についても少し、余裕が出てきたでしょうか。追走時に弾むようにトビが高く、しかしながら推進力方向にも十分に力が伝わっているように感じます。ゆとりのある追走フォームなので、距離は2400mもこなせるようになるでしょう。逆に課題としては、クビを含めた重心の高さで、この点が解消されてくるともう少し追走時の力が楽に前方向に伝わりやすくなると思います。 追ってからはピッチが気持ちよくギュンと上がっていき、ラストに向けてどんどんとストライドが伸びていく、ひとつの理想系の身体の使い方が出来ています。この際もクビがもう少し上手く使えれば…と言うところですね。これだけ終いの形で身体がしっかり使えるならばもっと早めから追い出しても早々甘くなるようなことは考えづらいので、もう少し強気に早く外に出していってもらいたかったですね。 後肢の動きから始動して、ピッチを上げながら全体の運動をガチッと連動させる身体の使い方ができる馬はそう多くはありません。今後も期待しています。
田村調教師のコメント
田村康仁調教師「19日に南Wコースで併せて追い切りを行いました。併走馬には遅れる形でゴールしていますが、最後まで無理をさせるつもりはなかったので、特に気にする必要はありません。慌てさせないように気を付けていたので、テンの入りはゆっくりになったものの、徐々にスピードアップすることができ、5ハロンから67.5秒のラスト1ハロンは12.3秒という時計を消化しています。鞭を打ったりすることなく、直線ではスーッと加速することが出来ていましたし、最後まで脚取りもしっかりしていて動きは良かったですね。悍性の強いタイプなので、2~3週間かけてじっくりと息を整えることに重点を置いて進めてきましたが、ここまでこちらの思った通りに進めることが出来ていますし、あとはレースまで今の精神状態を保ったまま調整していきたいところです。前走の走りを見てもここでは十分楽しみがあると思いますし、今後に弾みを付けられるよう良い結果を期待したいですね」