石橋騎手騎乗のグリューヴルム(牡、大久保、父キズナ)が単勝1・3倍の断然人気に応えてデビュー戦を勝利した。勝ち時計は1分57秒4。 五分のスタートからあまり行き脚は速くなく、道中中団後方から追っつけながらの追走。向正面半ばで外から進出し、2番人気ドルズプライスレスとともに4コーナーを先頭で回り、直線は楽に抜け出した。 石橋騎手は「よく調教されていてすごく素直でした。内にいても気持ちが乗らないので、外から動いていきました。抜け出した時も気持ちに余裕があって、物見をしていたので上積みはあると思いますし、体もよくなっていく余地はあると思います。これからが楽しみです」と振り返った。 大久保師は「ちょっと子どもっぽいところはありますが、走りの質は悪くないと思います。精神的な幼さはまだありますし、狭いところや砂をかぶった時の課題はあります。向正面から稽古通りの走りをしてくれましたし素質はいいものがありますね。物見をしながらでしたが、いい伸びをしてくれました。今後はガス抜きをしてから考えたいと思います。1800メートルのダートはよかったです」と将来を見据えた。
大久保厩舎のコメント
- 15日の中山競馬では道中は中団内目を追走するも、反応が鈍く後方2番手までポジションを下げる。向こう正面で外へ出してから一気にポジションを上げ、3コーナーで先頭へと並びかけていくと、直線は後続を振り切って見事優勝。「前半から全然進んでいかないので大丈夫かなと思って見ていたのですが、ジョッキーによると『砂を被って嫌がっていましたし、馬群も気にしていましたが、外へ出すと反応してくれました』とのことで、進路を切り替えてからは調教でも見せていたこの馬本来の走りで、スーッと動いていくことができましたね。まだ気性的に幼いところはありますが、まずはきっちりと勝つことができて良かったです。この後はいったん放牧に出させていただきます。今日はありがとうございました」(大久保師)前半は行きっぷりが悪かったのですが、途中で外に出してからはすんなりと動くことができていました。まだ心身ともに幼いところがありますから、これからしっかりと成長してきてもらいたいものです。この後はリフレッシュ放牧を挟む予定です。
あばた先生の走法診断
ややクビ高で、前に突き出したような形で前脚を上げています。身体が全体的に硬そうに見えました。前脚の捌き方はダート馬らしくていいですね。力がしっかり伝わる形かと思います。トビの高さに遊びがある分、回転はやや遅めです。背中の動きが大きいことからも、踏み込んだ後肢の推進力がまだ言い方には向いていないかなぁという印象も受けますね。直線に完全に向く前に左手前に変えてしまった分、入り口で少しバランスを崩しています。左手前で走りたがる馬なのか、たまたま経験不足で変えてしまったのかはわかりませんが、ここは反省点です。終いは身体を一杯に使った形で、力強さを感じますがこの時も他馬と比べると回転が非常に遅いです。まだまだ身体の使い方をしっかり覚える必要はありそうですが、能力は高そうですね!